レポート

【手話マップ・レポート vol.17】 「手話と出会う」に出会う

Tokyo Art Research Lab/ 東京都

レポート詳細 投稿日:2020年12月28日

年末が近づいてきました、皆さんいかがお過ごしでしょうか。さて、今回はある団体の取り組みについてご紹介します。

東京にはTokyo Art Research Lab(TARL:タール)と呼ばれる事業があります。アーツカウンシル東京が運営母体で、アートプロジェクトを担う人たちに対する学びのプログラムです。この中に、アートプロジェクトの担い手を育てるための「思考と技術と対話の学校」があります。

この学校では今年度、手話に関連したプログラムが開催されました。
それが「手話と出会う~アートプロジェクトの担い手のための手話講座(基礎編)~」です。
https://tarl.jp/school/2020/lecture-signlanguage/

全12回、2020年10月で終了しています。
このプログラムは、アートプロジェクトの担い手として期待される方々を対象に、手話指導の経験豊富なろう者が指導するというものです。新型コロナウイルス感染症の流行のため、オンラインで定員10名の受講者に指導するという体制をとることになりました。
このプログラムについて、プログラムオフィサーの嘉原妙(よしはら・たえ)さんによるレポートが公開中です。全12回の予定で、順次公開される予定です。

第1回 https://note.com/ap_yoshihara/n/n8a8dd97aca66
第2回 https://note.com/ap_yoshihara/n/n09b61f4e04d3
第3回 https://note.com/ap_yoshihara/n/na74962f5d3d0

先にご紹介しましたように、このプログラムは全12回開催されたのに沿ってレポートも12回までを予定しているとのことです。それぞれの回、プログラムを通じて嘉原さんの視点から書かれており、手話を学ぶうえだけでなく、私たちが普段捉えているイメージとは何か、私たちの身体性について、また「もの」を見ることを豊かにすることへのヒントが込められているように思います。
たとえば第1回目のレポートには

「第1回(7/1)は、自己紹介からスタート。でもその前に、参加者のみなさんに、講師の河合祐三子さんから大事なお願いが伝えられた。「必ず、反応を示してください。分かる、分からないを示してほしい」」

と書いてあります。この河合さんからのお願いは人と人が対話するときの基本的なことであり、強く同感しました。思えば、わたしたちは母語をはじめ、言語を習得する際に単語や文章表現をはじめ、その言語のエッセンスに触れようとしてきたのではないでしょうか。
レポートを拝見すると、第2回以降は、河合さんと受講者の間で何度も手話表現のやりとりがされていて、早くも次のレポートが楽しみですね。
このプログラムは基礎編とのことで、中級、上級編とさらに広がっていくことが期待されます。

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