高橋龍太郎コレクションは、2000年代以降の日本の現代美術の重要作家の作品を網羅的に収集してきたことで知られています。今回のMOT美術館講座では、現在開催中の「日本現代美術私観:高橋龍太郎コレクション」展より、日本の現代美術の「いま」を考えるにあたってのいくつかの重要なトピックをもとに、共通点と異なる視点をそれぞれに持つ気鋭の出品作家たちの対話を3回シリーズで行います。
第2回は、書とエアロゾル・ライティングというそれぞれの文脈から出発し、書く/描くことのはざまで様々な実験的な試みを行ってきた、華雪と大山エンリコイサムです。
講師
華雪 × 大山エンリコイサム
モデレーター
藪前知子(東京都現代美術館 学芸員)
講師プロフィール
華雪
書家。1975年、京都府生まれ。
1992年より個展を中心に活動を開始。文字の成り立ちを綿密にリサーチし、現代の事象との交錯を漢字一文字とテキストの組み合わせで表現する作品づくりに取り組むほか、〈文字を使った表現の可能性を探る〉ことを主題に、国内外でワークショップを開催している。近年の主な個展に「あらわれる」(2024年、HARUKAITO by island、東京)、「そこにあるもの」(2023年、Art Column River Line(N7区画)、東京)、「花」(2022年、ギャラリー京都寺町菜の花、京都)などがある。
大山エンリコイサム
美術家。1983年、東京生まれ。
ストリートアートの一領域であるエアロゾル・ライティングのヴィジュアルを再解釈したモティーフ「クイックターン・ストラクチャー」を起点にメディアを横断する表現を展開。2011−12年にアジアン・カルチュラル・カウンシルの招聘でニューヨークに滞在以降、ブルックリンにスタジオを構えて制作。2020年には東京にもスタジオを開設し、現在は二都市で制作を行なう。