音楽やダンス、演劇、対話など、展示という形式では扱うことが難しい「生の表現」が生まれる場を、アーティスト同士や観客の反応を踏まえながら展開するプログラムです。枠に収まらない表現を、渋谷にあるギャラリーの特性を生かしたサイトスペシフィックなパフォーマンスとして共有することを目的とした、東京都渋谷公園通りギャラリーが行うパフォーマンス・シリーズ「RAW」。
今回は、金沢市を拠点に自由に身体表現を楽しむダンスカンパニー「あら・おるズ」を迎え、演奏スタイルや表現のジャンルを超えた自由な即興演奏を基本に、様々なアンサンブルを生み出す「音遊びの会」と、クラシックからジャズ、ラテンなど幅広い音楽を操る、沖縄在住の音楽家・高 雄飛(たか ゆうひ)の音とともにパフォーマンスを繰り広げます。
AKAZOKUを知っているだろうか。過去に旅先で彼らの住むエリアに迷い込んでしまったことがきっかけで彼らと出会った。「真っ赤なアイドル」と名乗る彼らは、一人一人の得意な方法でコミュニケーションをとりながら暮らすひとびとである。身体をつかっておどる者、楽器を奏で歌う者、常に静かな者もいれば、いつも一族全体を見守るような者もいる。同じ一族=同じ言語を使うとは限らないのかもしれない。アイドル=揃った動きが美しいとは限らないのかもしれない。彼らと過ごす時間は、自分が周囲を見る目線に重要な気づきを与えてくれるかもしれない。AKAZOKUの正体、あなたの目で確かめていただきたい。
日時:2023年7月9日(日) 14時00分~
※各回公演時間は、約60分です。
※開場は、各回開始時間の15分前になります。
サポート:手話通訳、リアルタイム音声ガイド
協力:出演メンバー家族
主催:(公財)東京都歴史文化財団 東京都現代美術館 東京都渋谷公園通りギャラリー
浅永弥亮(あら・おるズ)
1990年4月20日生まれ。ゆるい雰囲気が好きだけど、清掃の仕事と金勘定はきっちり派。トランポリンが得意。秋葉原のスーパーポテトへ行くことで、充電が満タンになる。
魚 琳太郎(あら・おるズ)
ブルーベリーが好き。東京に旅行するのが好き。サッカー、野球、バスケ観戦が好き。感情が豊かで、嬉しいことも悲しいことも身体と表情で表現する。言葉で表現するよりも身体の表現で理解することが多い。
大家港生(あら・おるズ)
震災記念日に神戸で生まれた25歳。The BeatlesとKISSなどの洋楽が好き。グループホームで仲間と楽しく暮らし始めて5年目になった。
林 芳樹(あら・おるズ)
愛称は、よしぼー。好きなものは飼い猫の桜ちゃんとスタジオジブリ。桜ちゃんが好きな理由は「うちの猫ちゃんはとてもかわいい」ので。好きな食べ物は鶏肉で好きな理由は自分の干支が酉年だから。鶏の唐揚げや手羽先などが大好き。
高山優大(音遊びの会)
『音遊びの会』の孤高のブルースマン。丁寧にギターをボロンボロンと爪弾きながら囁くように歌う姿は胸を打つ。実は気分屋で、盛り上がっているときの彼は最高のお客であり相槌打ち。
吉見理治(音遊びの会)
『音遊びの会』でもっとも激しく、もっとも優しく、もっとも芸達者。巨匠かと思わせるフリーキーで音色への考察が印象的なトランペット演奏。「ザ・マサハルズ」でもお馴染みのハードコア的歌唱は驚愕と爆笑をもって受け入れられる。
高 雄飛
1995年生まれ。石川県金沢市出身。沖縄県在住。9歳でクラシックピアノを始める。14歳で 金沢を代表するピアニスト溝口尚氏に師事、19歳で 国際的なピアニスト 田中裕士氏に師事し、ジャズの基礎を学ぶ。現在は CMへの楽曲提供や出演のオファーを受けるなど 演奏のみならず 作編曲家としての活動も精力的に行っている。
野田 亮
日本の美意識や文化に回帰しながらも、新たな価値の発見や表現の創造を模索、実験しながら映像制作を行っている。国や地域が抱える社会問題やマイノリティとマジョリティの関係性などへの関心も深い。ダンスドキュメンタリー映像作品『なやみの種』(なかむらくるみとの共作)2021年公開、「音遊びの会」ドキュメンタリー映画『音の行方』(撮影・編集・監督)2022年公開。
音響|打越俊次(株式会社エヌアンドエヌ)
ヘア&メイク|角谷美由紀
衣装|早川ユミ(布作家)
なかむらくるみ(ダンスアーティスト/カラダ媒介人)
石川県金沢市生まれ。石川県を拠点に活動。人の身体が持つ可能性をダンス(身体表現)というコミュニケーションツールを使って発信している「ソコニダンス」を主宰。国内外の美術博物館や福祉施設、特別支援学校等でワークショップを実施。さまざまな人の身体の美しさを社会に魅せる作品を制作・発表している。ダンスカンパニー「あら・おるズ」ディレクター。