このたび、2022年8月13日に千葉市美術館の主催で、シュワー・シュワー・アワーズを実施しました。
合計14名の方のお申し込みをいただきました(ただし、当日は台風直撃の予報の関係で数名のキャンセルがございました)。
参加者の安全に留意しながら実施し、午前・午後の2回いずれもていねいに対話を重ねることができました。
今回のシュワー・シュワー・アワーズは千葉市美術館で開催中の「とある美術館の夏休み」展(会期:2022年7月16日– 9月4日)を対象にしています。この展示は、千葉市美術館のコレクションと、アーティストの新作を同時に展示するひじょうにユニークな試みです。そこで今回はリサーチの結果、ミヤケマイと清水裕貴が担当したルームを対象に実施しました。ほんらい、対話型鑑賞では作品1点ずつを対象に対話することが多いのですが、今回は、作家ごとのルーム単位を対象にした方が展覧会のおもしろさが伝わるだろうと考えました。
今回は午後の回について少しお伝えいたします。午後は清水裕貴が担当したルームを対象に実施しました。このルームには、ジョルジュ・ビゴーの《稲毛海岸》が展示されています。日本で活動していたビゴーが、フランスに戻ったあとに千葉の稲毛海岸を描いたことでしられる一枚で、千葉市美術館の所蔵になります。
https://www.ccma-net.jp/collection/georges-bigot-inage-kaigan/
このほか、清水さんによる写真とテキストも展示されています。そこで、ルーム全体をご覧頂きながら、ビゴーの作品と、清水さんの作品1点を選んでご覧いただくという方法を採りました。このとき、「あなたの夏休みの思い出と結びつけて話してみましょう」というお題を出し、話し合ってみようというプランでした。みなさん熱心にご覧くださいました。
鑑賞中の参加者のみなさん
感想を話し合う参加者のみなさん
展示をご覧いただいた後に最初の印象や、見ながら考えたことをじっくりと話し合うことができ、有意義なものとなりました。
参加者の皆さんからは「一見して感じる作品でも他の参加者と対話することで考えを広げることができた」「お話を聞いて、作品の見方が変わって新鮮だった」「ろう者の意見と聴者の意見が異なっていておもしろいと思った」などのご感想をいただきました。また、美術館のみなさんからは、「コミュニケーションのモードがいろいろとあることの気づき」「ろう者の手話で対話をしたいという気持ちを感じた」「耳の聞こえない方とプログラムを作る方法について経験することができた」などのご感想をいただきました。同時にいくつかの課題も挙げられ、今後の修正点としていきたいと考えております。
お越しくださいましたみなさん、千葉市美術館のみなさん、どうもありがとうございました!
引き続き、手話マップをよろしくお願いいたします。
写真提供: