高橋龍太郎コレクションは、2000年代以降の日本の現代美術の重要作家の作品を網羅的に収集してきたことで知られています。今回のMOT美術館講座では、現在開催中の「日本現代美術私観:高橋龍太郎コレクション」展より、日本の現代美術の「いま」を考えるにあたってのいくつかの重要なトピックをもとに、共通点と異なる視点をそれぞれに持つ気鋭の出品作家たちの対話を3回シリーズで行います。
第3回は、プライベートでともにドローイングを行うこともあるという名和晃平と鈴木ヒラクが、技術論からはじまり、宇宙、身体など共通の興味に従ってセッションを展開します。
講師
名和晃平 × 鈴木ヒラク
モデレーター
藪前知子(東京都現代美術館 学芸員)
講師プロフィール
名和晃平
1975年、大阪府生まれ。
Pixel(画素)とCell(細胞、粒、器)を合わせた造語「PixCell」の概念を元に、鹿の剥製などをガラスビーズで覆った「PixCell」シリーズ、人体の3Dスキャンを使って制作した彫刻作品「Trans」シリーズなど、さまざまな表現を用いた作品を多数発表。東京都現代美術館で2011年に個展を開催したほか、近年の主な個展に「Cosmic Sensibility」(2023年、Pace Gallery、ソウル)、「From Code to Material」(2023年、kojin kyoto、京都)など。
鈴木ヒラク
アーティスト。1978年、宮城県生まれ。
東京芸術大学大学院修了後、シドニー、サンパウロ、ロンドン、ニューヨーク、ベルリンなどで滞在制作を行う。「描く」と「書く」の間を主題に、平面・彫刻・映像・インスタレーション・パフォーマンスなど様々な制作活動を展開し、ドローイングの拡張性を探求している。近年の主な個展に「今日の発掘」(2023年、群馬県立近代美術館)、「Excavating Reflections」(2019年、Galerie chantiers Boîte Noire、モンペリエ)、「かなたの記号」(2015年、国際芸術センター青森)などがある。